Freedom~ちっぽけな冒険隊Ⅴ~

さてさてこの旅の物語も今回が最終話だ。
今俺は宇都宮のとあるカフェで
この文章を書いている。
最近は暗くなるのが早くてとても困っている。
は、どうせ季節のあいさつとか思ってるだろ。
違うそんな甘いものじゃない。
本当に困っているのだ。
可愛い子の表情がはっきり見えなくて、、
インフルは流行するし唇は乾燥するし、、
早く温かい春がやってくるのを
俺は待ってるよ。あぁさみぃ、、、
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最悪だ、銭湯を出てすぐなのに大雨に見舞われた
風呂入ったばっかなのによ~
めっちゃダッシュして近くのスーパーに駆け込んだ
そこで昼ご飯用に食パン一斤を購入
(もちろん値引きシール付き)
そこから近くのバス停に行って
土浦駅行きのバスに乗った

バスを降りて駅前の商業施設に駆け込む
地下1Fのダイソーでヒッチボードが濡れないように
ゴミ袋を買った。レジに並んでた時の話だ
でかいバックパックを背負って
段ボールを抱えている俺を
店員さんがすごい不思議そうに見ていた
ちょっと気まずかったので話しかけてみた
「僕、今からヒッチハイク
   宇都宮まで帰るんですよ」
もちろん特上のにっこりスマイルを添えてね
店員さんは目を丸くして驚いていた
なんていったって外は大雨だからね
ダイソーを出て多目的トイレで
ヒッチボードを書いた
つくば市まで乗せてください」
相変わらず汚い字だ。まぁ大目に見てやってくれ
Twitterに写真を投稿してからカッパを着て
ゴミ袋にバックパックを詰めて出発した
方角だけを信じて進んでいくとヒッチに最適な
スポットを見つけた。道路に面したコンビニの前。
俺はすぐにヒッチを始めた。
しかし交通量が少なくなかなか停まってくれない
そんな時だった。一台の軽自動車が停まった
「狭いけど筑波まで乗ってけよ」
俺は無我夢中で走り寄った。
その時車の中には大人二人と子供二人が乗っていた
僕は助手席に乗せてもらえることになった
だがここであることに気づく。先ほどまで
助手席にはこの男性の息子が乗っていたのだ
「息子さんはどこ行かれたんですか?」
すると「気づかなかったか?後部座席の足元で
ダンゴムシみたいに丸くなっているじゃないか」
これには俺も驚いた。たしかに乗せてもらえたのは
めっちゃ嬉しいがさすがに申し訳ない
すると息子が言った。
「僕がお父さんにお願いして乗せてもらったんだ」
俺は感動。こんな交通費をケチった高校生のために
自分を犠牲にしてまで席を空けてくれるなんて
それもこの息子はまだ小学6年生だ。
日本の将来も安心
さて俺は乗せてくれた家族と
話しながら筑波まで向かった
聞くとこの家族は土浦に戻ろうとしたところ
俺を見つけてわざわざ筑波までUターンしたらしい
心が広いにもほどがある。
何かで恩返ししたいなと思いバックの中を探した
車は筑波の巨大ショッピングセンターに着いた
北関東で一番でかいらしい。
「ここならすぐに乗せてもらえるから」と
優しい心遣い。お別れはめっちゃ寂しかった
息子にマスカットキャンディーを一袋プレゼントし
両親にお礼を言って別れた。
こうして初ヒッチハイクは大成功に終わった。
俺はショッピングセンターで
スマホを充電しながら水を購入し30分休憩した
外にでると青空が広がっていた。
さて早く栃木に帰るとしますか
ヒッチ再開
今度は結城市を目指すことにしよう
ヒッチ開始30分経過。みんな笑ってくれるけど
一向に乗せてくれる気配がない
これはまずい。その時老人が歩み寄ってきた
「お兄さんや、こっちは結城と反対方向じゃよ」
「ま、まじぃ⁉親切にありがとうございます(泣)」
30分の努力は水の泡になってしまった

 

反対方向の出口に行ってみた。全然車が来ない
もう諦めて結城の方向に歩きながらヒッチした
向かい風の中歩きながら対向車線の車にも
見えるように腕を伸ばし段ボールを掲げる
歩き出して20分。1人のお姉さんが寄ってきた
「お兄さんもしよければ乗っていきません?
 子供もいて騒がしいですけど、もし良ければ」
「お願いします。せめてこのバックだけでも」
「いやバックだけ乗せてどうすんのwほら来て」
あぁ神様。1時間粘ったご褒美をありがとう
今回は若いご夫婦と子供と妻のお母さんが乗った
5人乗りの車に乗せてもらった。
鼻の中に社内の香水の匂いが漂う
そのまま1時間近く家族と話しながら下道を進んだ
車は栃木県の野木町に入った。
ご夫婦は野木に住んでるらしい
4号線沿いのコンビニに降ろしてもらった
さぁいよいよ宇都宮まであと少しだ
とりあえず近くのスーパーまで歩き段ボールを調達
段ボールが無料で貰えるのは当たり前なのに
旅の時はやたらと段ボールにありがたみを感じる
そのままマクドナルドに入り
トイレで段ボールを解体。ヒッチボードを書いて
また国道に歩いて行った。
これがこの旅最後のヒッチだろう
今回は早く乗せてもらいたい。
昨日のサイクリングのこともあり、
体はもうヘトヘトだ
交通量が極端に少ない野木の国道でヒッチスタート
ヒッチしながら動画を撮影していて
思ったことがある。ヒッチハイクの動画って
意外と撮影が難しいのだ特に一人旅の場合はな。
ほかの動画の撮影と違って
見どころ=乗せてもらえた時だけだから
ここを撮り逃すと
さっぱり面白くない動画になってしまう
そして皮肉なことに撮影を止めてすぐに
乗せてくれる車が現れるのだ。
今回のヒッチもそんな感じ
ヒッチ開始15分で大きな車が近くに停まった。
運転手の顔は見えないが走り寄ってみる
すると40代くらいのダンディーなおっさんが
「停まってると迷惑だからとりあえず乗れ」
乗り込むとおっさんは言った
「宇都宮でいいんだな。
よし分かった連れてってやる」
世の中こんな単純に優しい人がいるんだな
聞くとこのおっさんは
まさかの市議会議員だったのだ
あえて名前は出さないけどね
車は宇都宮に入った。
「ほんとにありがとうございました!
 この辺に降ろしていただければ大丈夫です」
「兄ちゃん地元はどこだ?」
「宇都宮よりも北の〇ってところです」
「今から電車に乗って帰るのも疲れるだろ
兄ちゃん面白いから最後まで連れてってやるわ」
もうすごすぎて何がなんだか俺には分からん
途中でコンビニに寄ったときも
「喉カラカラじゃないのか?ほら好きなの買え」
これが男ってもんだよなぁ。かっこいいや
このおっさんも大分頭がぶっ飛んだ人だった
函館の夜景を見るために
函館山の斜面を車で登っていったり
早く家から出たいからって
自衛隊系列の高校に入学
そして自衛官になっちゃったという波乱のおっさん
この人と話してると少しも飽きることがなかった
車が家の近くのコンビニに着いた。
議員お約束の名刺をいただき
ガッチリと握手を交わした
いつかまたどこかで会えるといいななんて
考えながら夕焼けに染まる俺の街を歩いていった

やっぱ旅っていいよな
色んな人に会えるし自分の隠れた感性が全開になる
さて、また旅に行きたくなってきたな
次のお話も楽しみにしていてくれ